代表者挨拶

本研究の目的とお願い

 

 近年、遺伝子を調べる検査方法が数多く開発され、これまでに診断することが困難な希少疾患や遺伝性疾患の診断ができるようになってきました。ところが、診断された病気の患者さんが、日本に何人いるのか、どういった生活をおくっているのか、などの情報を知ることは稀な病気であるほど困難です。

 この研究では、希少疾患・遺伝性疾患と診断された患者さんの情報(症状や見つかった遺伝子の変化)を登録し、日本国内に何人の患者さんがいるのか統計的な情報を集めるとともに、それぞれの患者さんの任意の範囲でご自身の情報を共有していただく仕組みを作ってまいります。

 ご自身の情報を登録することにより、国内にご自身と同じ疾患を持つ患者さんがどれぐらいいるのか知ることが可能です。また、将来的な病気の治療法の開発や行政支援の拡充などの利益を得られる可能性があります。また、希望に応じて患者間交流を図ることができます。具体的にどのような生活を送っているのか、どのような悩みがあり解決法があるのか、などお互いの情報を直接やり取りできるようになります。
この情報データベースへの登録は患者さんの任意です。登録しないことによって診療その他で一切不利な扱いを受けることはありません。

 この研究の推進により日本国内における患者数や自然暦が把握されることによって、希少疾患の治療薬の開発研究促進や行政における福祉援助支援などを受けやすくなる可能性があります。

 本研究にご賛同、ご協力いただけますよう、よろしくお願い申し上げます。

小崎健次郎
慶應義塾大学医学部 臨床遺伝学センター 教授 センター長